Panasonic DMC-FX01/DMC-TZ1

松下電器、広角端28mmの手ブレ補正コンパクト「LUMIX DMC-FX01」

 松下のLUMIXシリーズは新機種が出るたびに段々隙が無くなっていきますなぁ。
 光学式手ブレ補正はもはや同シリーズの標準装備と化してますが、先月発売のDMC-LZ5から画素混合によるISO800~1600高感度撮影にも対応し他社の高感度被写体ブレ防止に対抗、そして今回は画角28mmの広角撮影に対応でございます。
 一応、アスペクト比16:9サイズのCCDを搭載したDMC-LX1ですでに広角28mmを実現してますけど、どちらかというとハイエンド寄りのLX1に対してこちらはDMC-FX9の後継機種との事ですから、マニア層ではなくごく一般的な客層にアピールしていくっつー事なのでしょう。
 28mm広角と言えばリコーのお家芸、28mm単焦点という硬派なGR DIGITALと、28-200mm+手ブレ補正という欲張りなCaplio R3とで最近元気の良いリコーも、うかうかしてられないかも知れませんねぇ……。

 そもそも、手ブレするのはシャッタースピードが遅いから→高感度撮影でシャッタースピードをより早く、という理に適った発想の高感度ブレ防止に対して、光学式手ブレ補正は「手ブレするなら機械的に補正すればいいじゃん」という割と強引な発想(笑) 個人的にそーいうのはあんまり美しくないなぁ、という風に思ってたので、手ブレ補正を前面に押し立ていた松下はあんまり好みじゃなかったんですが、高感度対応、広角対応とここに来てなかなか悩ましい存在になってきましたねぇ……(苦笑)


松下電器、光学10倍ズームの“旅カメラ"「LUMIX DMC-TZ1」

 というわけでもう一機種紹介。こちらは屈折光学系フラットズーム+ごく一般的な沈胴式ズームを組み合わせて35-350mmの10倍ズームを可能にしたという、なかなか珍妙なカメラでございます(笑) このズーム倍率だと普通は一眼レフライクなごっつい外観になりがちですが、フラットズームを途中まで組み込むことでごく一般的なコンパクト機の形状をどうにか保っており、持ち運びにもそれなりに有利。もちろんLUMIXシリーズなので光学手ブレ補正+画素混合ISO1600にも対応と、これまた至れり尽くせりでございますな。個人的には、せっかく上のFX01で28mmに対応しましたので、こっちも28-300mmぐらいだったら良かったかも知れませんが……。

 ただ、こういう感じであれこれ機能充実してくるのはいいんですけどねー。このTZ1を「旅カメラ」などと称して日付機能を充実させたり、先述の16:9サイズのLZ1にて、プラズマテレビの大画面での写真鑑賞を提案したりという辺りミョーにひっかかりを覚えたりとか。
 ユーザーにそういう提案をしていくのが悪いこととは言いませんけど、単にカメラとして機能が充実しています、面白い新機能を盛り込んでみました、というのではいけないんでしょーかねぇ? その提案がずっこけたらせっかく搭載した新機能まで否定される事になってしまわないか、という心配もありますし、まさかフラットズーム+沈胴ズームという画期的なアイデアを、旅カメラなんていうしょーもない提案のために思いついたのだ、という風にもあんまり考えたくないですし(苦笑)
 カメラの内容的には、もはや家電屋と侮れないレベルに達してきているのかも知れませんが、こういう売り方はやっぱ結局は家電屋なのかな、という気はします。まぁ実際ヒット製品になってるんで、それで正義ということなんでしょーけどね。
 でもねー。ホントに技術に自信があるなら、純粋に「こんな機能がある」というのだけをウリに出来るはずなんでしょーけどねぇ。「だから○○が出来る」という風に売り込まないと売れないカメラなのか、という風に見えちゃうのはなんか哀しいというか、寂しいというか……。
 実際、こういったフラットズーム+沈胴ズームというメカニズムも世界初なら、アスペクト比16:9サイズのCCDの採用、光学式手ブレ補正の標準装備化などカメラメーカーとして技術的に恥じるどころか誇れることも沢山あるわけですよ。薄型フラットズーム機など他社の流れには追従せず、逆に手ブレ補正に10倍以上の高倍率ズーム機など、他社が松下を追いかけているような状況ですし、SDカードも今やほぼ世界標準規格となりましたし、世界のライカにデジカメをOEM供給までしていたりして……堂々とカメラメーカーとして技術を誇って悪い事など、冷静に考えたら何も無いんですけどねぇ……。
by asdn_4231 | 2006-02-14 22:33 | Camera | Comments(0)